あたなたのための顧問弁護士相談室

弁護士波多野進がH3011.30福岡地裁判決で脳梗塞で後遺症を負った原告の訴訟代理人として関与しました。詳細は追って行いますが、概略と報道内容は以下のとおりです。

2018/12/07

勤務先の会社のみならず代表取締役(社長)についても連帯して責任を認めた。裁判所は長時間の時間外労働(発症前1ヶ月前から6ヶ月目まで順に150時間15分、175時間30分、188時間15分、171時間00分、179時間15分、184時間45分)や原告が店長として店舗の目標を達成するために精神的緊張を伴う業務に従事していたことなどを理由に、原告が脳梗塞を発症したことについて、被告会社の安全配慮義務違反、被告会社の社長については代表取締役として従業員の過重労働等を防止するための適切な労務管理ができる体勢を何ら整備していていなかったなどとして、被告の社長の個人責任も合わせて認めました。

裁判所は本件では鹿児島労働基準監督署が既に業務災害と認定していたが(下記参照)、労基署が認定した時間外労働より更に証人尋問などの結果を踏まえて、更に長時間の時間外労働を認定した(労基署が認定した時間外労働でも被告の責任は免れない。)。脳心臓疾患の労災認定基準(いわゆる過労死基準)では直近1ヶ月で100時間、6ヶ月まで遡る中でどこかの平均の付きで80時間の時間外労働が認められると業務と発症との間に因果関係が認められるところ、裁判所の認定では80時間のおおよそ2倍もの時間外労働が認定されており、被告らの責任が認められたのは当然のことでした。

下記のような報道がされております。

http://news.ktstv.net/e78644.html

会社に9千万円賠償命令 長時間労働で後遺症

社会2018年12月04日共同通信社

判決で岡田健(おかだ・たけし)裁判長は、発症前6カ月間の時間外労働は月平均約175時間だったと認定。「著しい長時間労働で発症と強い関連がある。店長として販売目標を達成するために精神的緊張もあった」とし、業務との因果 関係を認めた。

判決によると、男性は1999年12月に入社し、約1年後に店長になった。09年4月、脳梗塞を発症。右半身にまひが残り、介護が必要な状態になった。14年4月に鹿児島労働基準監督署に労災申請し、認められた。

pdfアイコン

トップページへ戻る
このページのトップ